ファントム

新人公演観劇記

7月27日ファントム強化月間の一環とし
て(なんのことやら?って感じですね。笑い)
ファントム新人公演を見てきました! 
 新人公演自体初体験でしたので、色々楽し
かったです。まず、客層が生徒さんのご父兄、
同期生、振り付けの先生等、普段の公演とは
ちょっと違った雰囲気。舞台も、新人さん達
の緊張が伝わるのか、なぜかこちらまで、
どきどき。思わず手に汗を握ってしまうという、
なかなかスリリングな観劇です(もちろん、
生徒さんが覚束ないとか、そういうことでは
全然ないですよ。なんとなく緊張感が
伝染するというか)。

主役は、歌が歌える新人、七帆ひかるくん、
クリスティーヌは本役花總まりさんと
うり二つと、デビュー当時から噂の
花影アリスちゃん。ビジュアル的に、
大変綺麗なお二人でした。
 しかし、エリックは本役がすらっとして
いるので、どことなく健康的なエリックという
印象もなきにしもあらず。アリスちゃんは
緊張のあまりか笑顔が堅かったのが惜しかった!
あのビジュアルですから、初登場のシーンで
弾けるように、笑ってもらえればそれだけでも
良かったのに!残念。でも、森のシーンで
「素顔を見せて」と懇願するシーンは秀逸でした。
花總まりさんが母性を感じさせるところを、
アリスちゃんは無垢な少女の愛に対する思いこみ
というかたちで演じきっていましたね。
 このシーンの役作りは、アリスちゃんの少女の
純粋さを感じさせる、思いこみ・かき口説き
バージョンの方が私は好きです。


新人公演は、本公演が二幕のところをカットして、
1時間40分の1幕構成。一番大きなカットシーンは、
カルロッタ殺害のシーン。あとは、キャリエール、
シャンドン伯爵の見せ場の歌がカットされていたり、
ファントムのフーガがなくなっていたり
(好きだったのですが、人数少ないと厳しいですね)と、
ちょこちょことしたカット。人数の少なさを補うための
演出上の工夫が随所にあって、それを探すのも、
また楽しい!従者さん達に娘役さんも混じっての倒錯的
雰囲気もまた良し(この娘役従者さんを、いりすちゃんが
あの長いおみ足で足蹴にするわ、踏みにじるわ、
もうもうたまりません。爆)。お母さんの肖像が、
ちゃんとアリスちゃんの顔になっているのも笑えます
(本公演では目が小さいお母さんの肖像画が、
新公ではパッチリへ!)、タイターニアのシーンは本番でなく、
なぜかリハーサルということに(この設定の変更に深い
意味はあるのかしら?)。とうこちゃんの衣装は、
やはりサイズ的にいりす君には無理があったのか、
違う衣装を何点か着用していましたね。

 変更といえば、ラストが本公演いずれとも
違っていました。白いカーテンとスモークの中、
クリスティーヌがエリックに駆け寄り、
歌うシーンは大劇場ラストと一緒なのですが、
エリックとクリスティーヌがせりあがり、
ひな段みたいな箱の上にのった後、
ベラドーヴァと子エリックが白い衣装で
せり上がってきます。
子エリックは、ひざを抱えてお座り状態。
膝をついたベラドーヴァがやさしく微笑みかけ、
仮面をはずしてあげると、
そこは傷もない綺麗なお顔が!にっこり笑う親子。

 大変救いのあるラストでした。ウィリアム・
ブレイクの黒んぼの少年も白人の少年も、
天国ではじめて肌の色の違いがなくなって
愛し合えるという詩の引用の意味合いを考えると、
やはりラストはマスクがなくなって、にっこりする
というのが一番しっくりします。
(参考:ファントムとウィリアムブレイク)
本公演のラストは、黄なりん粉ちゃんも指摘
しているように、天国に行ってもマスクに
とらわれているのか、という救いのなさを
感じてしまいますものね。せめて、天上の世界では、
偏見や差別の対象となった傷を持つことなく、
一人の青年として、クリスティーヌを
愛することができる、そう思わせて欲しいです。

 娘役さんでは、ベラドーヴァの和音美桜さんが
素晴らしい美声を聴かせてくれました。お顔も可愛く、
もっと本公演でも活用されるといいのに。
 その他、カルロッタ役の芽映はるかさんも
安定した歌声と演技力で、本役のたきちゃんとは
別の意味で凄みのあるカルロッタでした。皆さん熱演で、
新人公演としては上出来だと思いますが、
やはり本公演とは違うと思ったのが、まず舞台が広く
見えてしまうこと!役者さんのキャリアであの空間を、
狭く感じさせていたのですね。それと、発声がまだ
舞台声でない生徒さんが多く、それが学芸会っぽく
させてしていまっているという感じでした。
 その中で、唯一舞台声で芝居をしていたのが、
キャリエール役の和涼華さん。彼女は、ひげを付けて
大人っぽさを演出していましたが、ひげがよく似合って
いて大成功ですね。演技も確かですし、期待の新人と
いうところでしょうか!

 同じ演目を、違う役者さんで演じるのを見るのは、
役の解釈が色々で、これはこれで楽しいものですね。
チケットさえ取れれば、別の演目でも新人公演を見て
みたいものです(なんだか癖になりそうです。笑)。
               (2004年8月2日)